保育課との懇談会議事録(2010年度第1回)

2010年10月2日

<項目>

  • (1)待機児の解消について
  • (2)民営化の検証について
  • (3)園長交替による運営の変化について
  • (4)小学校との連携について
  • (5)3人乗り自転車の利用支援について
  • (6)お散歩の回数について
  • (7)老朽化した園舎の内装について
  • (8)保育環境の工夫について
  • (9)園庭の芝生化について
  • (10)保育室・保育ママの存続と補助事業について
  • (11)学童保育との連携
  • (12)保護者の就労について
  • (13)中学生の兄弟のお迎えについて
  • (14)お泊まり保育について
  • (15)保育士の職場環境について

  • <日時>

    2010年8月31日(火)19:00〜21:00

    <場所>

    太子堂区民センター 第一会議室

    <出席者>

    保育課:工藤課長、秋元係長、
    保護者:


    はじめに、事前に提出していた質問項目について保育課より回答があり、その後自由な質疑応答となりました。
    関連のあるものをまとめてありますので、その点をご了承の上お読みください。


(1)待機児の解消について

世田谷区では、私立保育園の分園・新設により、認可保育園の定員を大きく伸ばしています(図1)が、平成22年度の待機児は昨年度より100人以上増え、725人と都内で最も多くなってしまいました(図2)。また、入園申請者数から入園可能数を差し引いた人数は1,900人余りにのぼります(図3)。 平成22年度には1,100人の定員を増やす計画とお聞きしていましたが、その後の待機児対策について教えてください。 また、0歳と1歳に申請者が集中していることから、単純に待機児数分の入園枠を増やしたのでは待機児は解消されないと思います。この対応についてはどのようにお考えでしょうか。 100831保育課懇談会議事録図1〜3.pdf

保育課>
世田谷区では、今年度 認可保育園を中心とし、認証保育所も含めて約1,500人の入 園枠を増やす計画で整備をすすめています。この規模は、今年度の待機児童約725人の2倍以上に当たります。保護者が何度も保活することのないように、持ち上がりクラスの確保をしつつ、低年齢児の待機児童を解消していく計画です。

(2)民営化の検証について

3人の学識経験者と保護者アンケートと第三者評価によって行うとのことですが、学識経験者と民営化保育園運営者と保護者代表のディスカッションの場を設けてはどうでしょうか。また、検証結果については、世田谷区のホームページなどで広く公表していただきたいと思います。

保育課>
世田谷区では、今年4月1日から松原保育園を民営化し、各地域1カ所ずつ合計5つの区立保育園を私立保育園に移行しました。今年度は、一度立ち止まって検証する年と位置づけています。現在、民営化した5園の保護者対象のアンケートを実施しているところです。私立保育園事業者、保護者代表、引き継いだ区立保育園園長 それぞれからヒアリングも行います。民営化について全てを知っている人はおらず、多角的な面からニュートラルに検証していきたいと考えています。全面公開を前提とすると、言いづらいこともあるだろうという配慮から、アンケートは非公開とし、ヒアリングも第三者の検証機関が行います。ある程度進んだ時点で中間報告をまとめ、全体が集約でき次第、ホームページや区議会を通して公表していきます。

(3)園長交替による運営の変化について

ある園で、園長先生と主任が同時期に異動してしまい、子どもたちにも保護者にも動揺がありました。このようなケースはよくあるのでしょうか。極力、園長と主任が同時に異動するのは避けていただけるでしょうか。

保育課>
園長と主任の同時期の異動は避けたいものの、どうしても避けられないケースがあります。ちょうど、園長と主任の退職が重なる時期になっています。園全体で安定的な運営に尽くしていきたいと思っています。
保護者>
園長と主任の退職が重なる時期というのは、年齢的なものですか。それは一時的なものと考えられますか。
保育課>
いわゆる団塊の世代の大量退職ということがよく言われていますが、保育士は一般的に事務職よりも早めに退職する傾向があるため、同時期に退職が重なることは多くはないのですが、自主退職が出るケースもあります。いずれにしても、園長と主任の同時異動はできるだけ避けるようにしています。

(4)小学校との連携について

保育園から小学校に入学するときに、環境が大きく変わるため、在園中から小学校と連携し、年長クラスの時に見学や交流ができるような仕組みを充実していただけるでしょうか。

保育課>
保育園の小学校との連携は大事だと思っています。保育所保育指針でも、「うまく小学校につなげるように」とうたわれており、これからますます大切になってきます。少しずつではありますが、小学校と保育園それぞれの運動会見学が行われたり、年長クラスの小学校行事見学や授業をみる機会がもうけられたりし始めています。小学校の受け入れ態勢にもよりますが、今後も充実させていきたいと考えています。

(5)3人乗り自転車の利用支援について

保育園の送迎に自転車を利用する保護者は多くみられます。2009年7月1日の道路交通法規則の一部改正にあわせ、安全確保の基準を満たす自転車に限って満1歳以上6歳未満の幼児2人を乗せ3人乗り自転車が認可されました。しかしながら、3人乗りが必要な期間は短いにも関わらず高価です。多子世帯への支援の一環として、レンタルなど安価な方策を検討していただけないでしょうか。

保育課>
技術開発により良い性能のものが出てきたので、法が整備され、今回認められたのだと思います。自治体によっては取り組んでいる事例もありますが、公共が手掛けるべき領域なのかどうか一考の余地があります。利用しない人とのアンバランスや、老朽化した際のメンテナンス方法を考慮する必要もあります。インターネットでのレンタルもまだ実施されていないようですが、民間セクターの参入を期待しつつ、区でも研究していきたいです。

(6)お散歩の回数について

お散歩が月に数回と少ない保育園があります。園庭で運動量を確保できたとしても、家と保育園の往復のみの日が月の大半を占めることは、子どもの育ちにとってどうかと不安を感じます。多様な刺激、経験を得ることができるようお散歩の回数を増やしていただけないでしょうか。

保育課>
散歩の回数については、ときどき質問をうけます。過去の不幸な事故をうけて、園外保育や散歩に関するマニュアル整備を行った直後は、回数が減った時期がありました。その後、マニュアルにも適応し、回数が回復してきています。立地によってはなかなか出づらい時もあるようですが。子どもたちが公園や町の様子を見るのは、ためになることだと思います。社会のことを知る上でも、また、子供たちの体作りの面からも、保育課としては、できるだけ積極的に散歩には行ってほしいと考えています。
保護者>
次男が太子堂保育園に通っており、散歩の回数は少ないものの、プールには月曜日から入っています。長男が卒園した三宿保育園で、月曜と土曜にプールはやっていなかったのと比較すると、恵まれていると思います。必ずしも散歩の回数だけが問題なのではなく、先生との信頼関係も大切なのだと感じています。
保育課>
月曜と金曜は、保育士のローテーションの都合で休みをとる職員が多い場合があります。もしも散歩の回数が少ない印象があれば、遠慮なく園長に伝えてください。園舎内の遊びについても、意見交換して、疑問点は出してください。

(7)老朽化した園舎の内装について

老朽化した園舎では、壁にしみがあるなど寂しい雰囲気になってしまっている例がみられます。簡易な内装の改善や部屋の明るい雰囲気づくりなどをもっと工夫ができないでしょうか。保護者の協力を得ることもよいと思います。

保育課>
老朽化した園舎については、順次改築をすすめようとしています。古い園舎で壁にしみがある場合には、園児の作品を並べたり、保護者へのお知らせの掲示スペースに活用したり 工夫しています。改築は着実に進めたいと考えていますが、工事中の一定期間に仮設園舎に入っていただくことになるなどの難しさがあります。今後も改築が必要な保育園については、仮設のための用地確保に全力を挙げて改築を進めていきます。

(8)保育環境の工夫について

大きな四角い部屋のなかで、1人あるいは少人数で何かに熱中できるような空間や、子どもが好きな隠れ場所になるような空間が少ないと感じます。 安全性の問題があるのかもしれませんが、差し支えない範囲で、棚やダンボールを用いて間仕切りをしたり、隠れ場所をつくるなどの工夫はできないでしょうか。子どもの豊かな遊びを誘発する空間や環境づくりについてご検討いただきたいと思います。

保育課>
つみきコーナーやたたみコーナーなどで「コーナー保育」を実施している私立保育園としばしば比較されるのですが、区立保育園が良い保育をする上で参考になると考えています。区立園でも、段ボールを利用して仕切りをつくるなど、工夫しているところもあります。民営化を検討する過程で私立保育園を視察し、3〜5歳児の異年齢でのクラス分けなど異年齢保育を積極的に実施している私立園も見てきました。例えばお金の使い方でも、私立園では施策毎に思い切った予算配分ができているところがあり、区立園でも従来の均等割ではなく、良い施策を提案する園に対して予算をつけるように配慮し始めました。また、区立園の保育士に研修で私立園を視察する取組みも行っています。9月改築の区立用賀保育園には、子どもが隠れ家のように使ったり、休憩できる「ロフト」をつくりました。保育士の目配りがより重要になるので、保育のスキルアップも心がけています。
事務局>
区立園と私立園の園長の交流はないのですか。
保育課>
これまではありませんでした。烏山地域のみ、区立園、私立園、認証保育所、保育ママを含めた保育ネットワークが運用されていました。今後はそれ以外の地域でも展開する予定です。
事務局>
保護者も区立園と私立園が交流する機会はなかなかなく、世田谷保育親の会のような会が保護者のネットワークづくりの一助となっています。コストがかかるのであれば、芝生化よりも保育室の運営に予算をまわしてほしいです

(9)園庭の芝生化について

園庭の芝生化は、ヒートアイランド対策や夏場の温度上昇の抑制による快適性向上、美観、癒しの緑化の効果のほか、園児の植付け生育観察による情操教育や環境教育、運動能力向上など幅広い効果が期待できるとのことです。 前回の懇談会でもお願いしていました園庭の芝生化の取り組み状況を教えてください。

保育課>
給田保育園の第2園庭の一部と南大蔵保育園のテラスに芝生を導入しました。1〜2歳児が、寝転びながら遊んでいる姿を見て、とても良いと思っています。但し、4〜5歳の子どもが走り回ると芝生がはげてしまうので、手入れが大変です。また、園舎の改築時と同様に、全面芝生化は工事としても難しい面があります。芝生だけになって土がなくても良いのか、という疑問もあり、皆さんのご意見はいかがでしょう。
保護者>
自宅マンションの庭が芝生だった時には手入れが大変で、二年後には生えなくなってしまい、結局庭師さんに芝生ではない形に変えてもらった経験があります。芝生が本当に必要なものなのでしょうか。
保護者>
手入れについてはわかりませんが、給田保育園では、散歩も泥遊びもできない0歳児が遊ぶのには最適で、芝生があって良かったと思っています。
保育課>
小さいうちに、芝生のにおいや感覚に触れるのは良いことではないでしょうか。全面ではなく、一部に取り入れていくのは有効かもしれません。試験的に導入することや、私立園での工夫など情報交換していきたいと思います。
事務局>
区立園の中でも違いはあるでしょうから、情報を参考にして、保護者の希望を保育園に伝えていきたいです。

(10)保育室・保育ママの存続と補助事業について

世田谷区の保育室・保育ママ制度は、特性を活かしながら、質の高い保育を提供し待機児童解消の受皿ともなっている。 区のアンケートにおいて保育室・保育ママは、「非常に満足している」との回答が6割を占め、満足度が高い。5年前の同調査と比較し、保育室の満足度は大きく向上し、区でもっとも満足度の高い施設となった。区の指導のもと地道な努力により保育の質が向上した結果だと感じる。 しかしながら、保育室は財政面で厳しい運営を強いられている。 園児数、職員数、児童一人当たりの保育料および補助単価から職員一人あたりの収入を試算したところ、月あたり認証保育所が33万円程度に対し保育室は24万円程度にとどまる。保育室・認証保育所ともに職員の給与水準は、公務員や民間給与水準よりもかなり低い水準である。また一部の保育室では、建物老朽化にともなう修繕について経年積立が認められず苦労している。 保育室・保育ママをはじめとする保育制度を支え、存続していくには行政と区民の皆様の協力が必要であり、さらなる行政支援・補助の拡充を一刻も早く実現して欲しい。具体的に保育室についていうと職員の適正な給与水準の保障や修繕費補助または積立認可が不可欠と感じる。 こうした保育室および保育の厳しい現状と今後の展望について行政の見解をきかせいただきたい。 100831保育課懇談会参考資料.pdf

保育課>
区立園で園舎の内装がきたないという指摘がありましたが、世田谷区の財政事情抜きには語れません。芝生化にしても、コスト抜きには考えられません。保育課としても、支援をしたい気持ちはありますが、限られた原資を配分するのは難しいのが現状です。
保護者>
納税者として、財源が限られているのはわかります。それでも、保育室が保育の質を保つ上で、優秀な保育士を10年から20年確保できる給与水準を保持する必要はあります。保育料と補助金だけでは難しいと考えるので、もう少し財源をなんとかなりませんか。
保育課>
ここで倍増できると回答するのは難しいです。23区内では世田谷区の保育室への補助金は手厚い方です。給与以外にも改修補助も行っています。保育施策全体で最適配分していきたいと思います。
保護者>
保育室が抱える細かい質問もあるので、今回来ていない(保護者)メンバーを含めて話し合いの場を設けてもらえませんか。
保育課>
この保育課懇談会は保育室にも開かれた場なので、この場で意見交換させていただければと考えています。
保護者>
本日の質問はあくまでも代表者が集約して絞り込んだものであり、背後に200件以上の声があがっています。「世田谷区の保育は今後どうなっていくのだろう」と懸念する意見もあります。是非、話し合いの機会をもっていただきたいです。
保育課>
別途、検討します。

(11)学童保育との連携

保育園の延長保育が19:15までなのに対して、学童保育は18:00までとなっていますが、1時間15分早く職場を出るのは困難です。両親のいずれかが転職せざるをえないのでしょうか。報道で学童保育が19:00まで延長という話もありますが、どうなっていますか。

保育課>
保育課が直接携わっていないため、具体的な進捗状況についてはわかりかねます。
事務局>
世田谷区は同じ「子ども部」の中に保育課と児童課が入っている組織なので、是非、横の連携をとっていただきたいです。
保護者>
昨年「1年生の壁」を経験しました。学童保育の時間を延長すると、正規職員の配置が減ると聞きました。学童父母会経由で予算要望書が出せるので、そこに希望として出すのが良さそうです。

(12)保護者の就労について

待機児童のお話がある一方で、保育園に子どもを預けている保護者で就労していない人がいるのはなぜでしょう。

保育課>
兄弟の上の子が4〜5歳で保育園に在籍し、下の子の育児休業中であれば預けられるシステムになっています。また、退職後で求職中の保護者も「保育に欠ける」状況になりますので、一定期間ですが保育園に預けることができます。

(13)中学生の兄弟のお迎えについて

これまで中学生の兄弟のお迎えでも受け入れられていたのが、今月から急に断られてしまいました。そのような変更があったのでしょうか。

保育課>
保育課からは、中学生のお迎えの是非について指示はしていません。自宅までの距離と4〜5歳児のお迎えであれば、運用ベースで実施している例はあります。原則としては、お迎えは大人がすることになっています。

(14)お泊まり保育について

私立園では4〜5歳児のお泊まり保育を実施していますが、区立園では行わないのでしょか。

保育課>
私立園では、下馬鳩ぽっぽ保育園のように、昔から「お泊まり保育」や卒園児と合同のキャンプを催行している園があると聞いています。区立園では、バス遠足が大きな行事となっています。
保護者>
私立河田保育園では、9月に5歳児が電車とバスを利用して「大倉山の家」に2泊3日で行き、川遊びやピーナッツ堀りや花火を体験します。保護者の準備は出発日の昼食のみです。積立金もありません。4歳児は、7月に1泊2日で園舎に泊まり、お弁当を持って羽根木公園に行き、花火や肝試しを楽しみました。
保護者>
私立ナオミ保育園も、年中クラスが園舎で1泊し、夜の花火や朝の虫捕りを体験します。保護者の負担は特にありません。年長クラスは、2泊で群馬県の「葉留日野山荘」に上野から電車で行きます。担当役員が集金と準備を手伝います。お泊まり保育を楽しみに入園させている保護者もいます。

(15)保育士の職場環境について

子どもが通っていた私立保育園で、2年前にクラス担任全員が突然欠勤し、その後のフォローもない時期がありました。その後、保育士間のいじめが原因であることがわかりました。また、食物アレルギーの子にアレルゲン食を誤って出すことが2回あり、最終的に園長が退職しました。一度歯車が狂うと、保育士と保護者の間にわだかまりが残ってしまい、修正するのに何年もの月日を要します。卒園児へのアルバムも、保育園作成のものと保護者作成のものの2種類が存在します。子どもたちには罪がないにもかかわらず。当時も、保育士に対するケアとアレルゲン食の再発防止を世田谷区に対してうったえました。このような場合、区に目を向けていただくことはできないのでしょうか。

保育課>
いじめの問題を表面的にとらまえるのは難しいです。いじめは、職場の風土を悪くするのであってはなりません。修復は園長と主任の努力を要すると同時に責任でもあります。世田谷区では、認証保育所に対する巡回指導を実施しており、対象を認可保育園にも広げているところです。もちろん、問題解決にも前向きに取り組みたいと考えています。保育園と保護者の関係が悪くなると、子どもに影響が出ます。アルバムの件も、子どものために善処してほしいと願います。
事務局>
保育課との懇談会は、これまで知らされていなかったことを聞く場にもなり、保護者と保育課双方にとって有用な情報交換の機会として活用していただきたいです。世田谷保育親の会は、「保護者が自分たちにできることをしていこう」という姿勢で活動しています。保育課への情報として「保育園への感謝状」という保護者の声を届けることもあれば、保護者のからの厳しい意見を率直に伝えることもあり、良い意味での緊張関係を継続していきたいと考えています。今後もよろしくお願いします。
<以上です>